婿養子はあって、嫁養子はなぜないのか。

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カルガモ夫婦

結婚したら、女性は苗字が変わりますね。いやいや、夫婦のどちらかの名前が変わるのだよ。と言いながらも現代の日本では、大体は女性の苗字が変わります。でもたまに、男の人も変わるじゃんか。あ、婿養子。

そもそも婿養子とは?

婿養子とは、苗字が変わるだけではないのです。結婚相手の女性の家を相続することになります。結婚して、女性の姓を名乗り、女性の両親が養子として手続きすることになります。それが婿養子なのです。基本的には女性の家に財産がある場合にやるのですが、婿養子に入った場合、相続上は実子のように扱われ、女性方の家の財産を相続する権利を持ちます。もちろん、女性の相続分は減るので、家社会において女性の立場は弱くなります。婿入りという言葉もあるそうですが、この場合は女性方の苗字を名乗るだけで、養子にならず相続権はないので、金銭的メリットはありません。

長男の嫁とは?

家長制度があった時代は、家の中では年長者の男性の権力が一番強く、長男が家の財産を一身に受け継ぐことになっていました。ですから長男の嫁はそこそこの地位がありました。しかし現在では、遺言状がない場合、相続財産は実の兄弟で均等に分けられるため、嫁は財産を相続することがありません。長男の嫁であることで、舅、姑の介護をする羽目になり、家内でも立場が弱いということで敬遠されがちになっています。

長男の嫁こそ養子にすべきでは?

もし、長男の嫁が家を支える介護要員とみなされるのであれば、むしろ嫁を養子として迎えるべきではないでしょうか。養子にすることで、法的に家の一員として位置づけられ、財産相続の権利も持つことになります。しかし、現実にはそのような仕組みが採用されることは少なく、長男の嫁は家という仕組みの中で不公平な役割を強いられることが多いように見受けられます。

家という制度は、表向きは自由な選択を許しているように見えますが、その実、多くの歴史的な身分制度を残しています。この不公平な構造がいつか解消されるのか、あるいは今後も形を変えながら存続していくのか、考えさせられるところです。

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